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私は農業体験が好きで、村上園にもお手伝いに通ったことがあります。そこで出していただいたお茶が、今まで飲んだことのないまろやかさで、静岡育ちでお茶をよく飲む私も、感動の味でした。
以来、村上園のお茶のおいしさが忘れられず、東京から地元・静岡へのUターンをきっかけに、このおいしさをもっと多くの方に知ってほしいと、村上園の販売部門を担当することになりました。
“本物”にこだわりつづける小さな生産者さんは、“食”の職人。そんな生産者さんをみんなで尊敬し・応援することで、日本の美しい里山・豊かな食文化を、次世代の子孫たちへ受け継ぎたいですよね。そんなお客様の気持ちも大切にし、少しでも双方のお役に立てれば嬉しいです。
村上園がある場所は、静岡県の静岡市清水区、吉原(よしはら)地区の中部山岳地帯(標高300m)です。
気候は、冬は暖かく夏は寒暖の差が大きく、一年を通して霧や雨が多い地域です。
この地域一帯は、駿河湾にそそぐ庵原川の上流や、霧深い山々に囲まれ、昔から山あいの斜面に適したお茶・みかんの栽培が盛んに行なわれてきました。
ある時、知人が農薬散布事故で亡くなり、初代である父が「やはり農薬は恐いものだ」と考えるようになりました。
無農薬栽培への転機は、1974年(昭和49年)に訪れました。
この年、ベストセラーになった有吉佐和子氏の著書『複合汚染』の中で
「茶畑から私たちの茶の間に入るまでに、農薬を洗い落とす作業があるだろうか」との記述があり、実際に収穫された茶葉は、一度も洗われることなく、蒸して、揉まれ、乾燥されています。
以前からそのことに気づいていましたが、「無農薬では、害虫にやられて収穫が減るのではないか?」「作ったお茶は売れるのか?」などの不安があり、無農薬栽培への転換になかなか踏み切れませんでした。
しかし「無農薬のお茶をつくってほしい」と神奈川の消費者グループから説得され、その熱意に負け、ついに無農薬栽培への転換を決意しました。
さらに、化学肥料は根を傷め、土をダメにすることに気づき、化学肥料の使用も一切やめてしまいました。
当時はかなり「非常識」だった無農薬・無化学肥料でのお茶栽培ですが、1974年以降、約45年にわたって頑なに守ってきました。
村上園の茶園の土は、多数のバクテリアが混在し、保湿機能に優れ、ふかふかしています。
良質の土は粒状になるので、土と土の間に多くの隙間ができ、空気をたっぷり含み、「好気性菌」(空気を好む菌たち)が繁殖し、さらに良質の土を作ります。
害虫も共存していますが、被害はほとんどなく、霜にも強いのですが、その理由は「お茶の木の、樹液が濃いから」。良質の土が、丈夫で生命力の強いお茶の木をつくり、それがお茶の味にも差をつけると考えています。
土づくりに欠かせないのは、堆肥です。
村上園では「堆肥」といっても、「堆肥」と「ボカシ肥」の中間のようなものです。
原料はすべてnon-GMO(遺伝子組み換えでない)にこだわっています。
遺伝子組み換えの原料だけでなく、農薬や化学肥料にも言えることですが、環境への負荷や、人体への影響の可能性を考え、畑に入れたくないのです。
山(=川の上流)での農業なので、下流域で暮らす方々や、動植物・水生昆虫への影響、河口や干潟への影響、さらに海に流れて海藻への影響を考えます。
堆肥には他にも、カツオやマグロの魚粉を使用して、窒素、リンの成分のバランスを良くしています。魚粉は、まるごと入れると内蔵が多く入ってしまうので、肉の部分のみを入れています。
例えば、窒素。旨味成分なので、農産物をおいしくすることで知られていますが、窒素が多すぎると「窒素過多」を招き、「硝酸態窒素」が作られ、人体への悪影響が懸念されています。
土の栄養状態は、時季によってもちがいます。収穫前と収穫後でも、お茶の木から新芽の部分が摘まれ、茶畑から持ち出されると、それまでの土とは変わります。
土の表面を覆う菌も、春夏秋冬、異なります。その都度、有機肥料の配合を変えて、成分に過不足のないよう、土づくりをしています。
その効果は、6月中旬から収穫する二番茶にあらわれ、苦みが減り、おいしくなります。
土づくりは、まだまだ研究の余地があると思っています。
無農薬栽培に転換した後、いろいろな農法を試してきましたが、なかなか納得のいく畑作りができませんでした。
そんな中で「BMW農法」と出会い、取り入れたところ、みるみる変わったのです。
土が生き返り、虫の被害も減り、収獲も安定するようになりました。
「BMW」とは、B(バクテリア)、M(ミネラル)、W(ウォーター)の略です。
まず、大きな水槽タンクに、塩素を含まない山の天然水と、地元の岩石・土壌菌、有機物を入れ、エアレーションをすると、琥珀色の水ができます。これが、ミネラルが豊富な「生物活性水」です。これを肥料代わりや農薬代わりとして、畑に散布します。
また、米ぬかやもみ殻で作った堆肥にも、麹菌を混ぜた「生物活性水」をかけて、堆肥の醗酵を促します。
こうしてできた完熟堆肥を畑にまくことにより、微生物が増え豊かな土壌になり、お茶の木が健康に育ち、ミネラルや栄養価の高いお茶ができます。
地元の自然素材からできた「生物活性水」をまくので、循環型農業にもなります。
実はこの技術とよく似た農法は、日本古来から行なわれていましたが、さまざまな問題点があり、次第に廃れてしまいましたが、「BMW技術」はこれらの問題点を解決し、良い点だけを引き出した、現代の環境問題に合った農法なのです。
「BMW技術」を取り入れている仲間(生産者)は、全国にいます。師匠や仲間との出会い、そしてもちろん、お客様との出会いに感謝しつつ、これからも畑づくり・土づくりにこだわり続けます。
健康で安全なお茶を生産するために、年に数回、専門機関に依頼して、土壌分析をしています。
また毎年、放射性物質検査を行なっており、検査結果はホームページでもご報告しております。
近年は農薬や化学肥料を使わないとか、極力減らすといった農業が増えました。多様な生物と共存する農法や、山・川・海の環境を保全しようというエコロジーな考えなどが、だいぶ浸透してきたように思います。 それでも「お茶」の分野においては、まだまだだと感じております。その理由は、害虫にやられやすいこと、バランスの良い土づくりが難しく、お茶の品質が左右されやすいこと・・・等が挙げられます。
村上園は、荒茶工場だけでなく、自前の仕上げ工場も持っていますので、栽培・収穫〜荒茶製造〜仕上げ加工〜小袋詰め〜お客様への商品発送まで、一貫して自園で行なっております。
一般的に、お茶の生産者の仕事は、荒茶工場にて「荒茶製造」といって、半仕上げ状態までを行います。これを出荷し、地元の農協や斡旋業者、茶市場を通して産地問屋に売られます。
産地問屋の持つ仕上げ工場で「仕上げ加工」されたお茶は、消費地の問屋や小売店へ売られます。この間、いくつもの問屋を経由するのが一般的です。
また「仕上げ加工」では、合組(ごうぐみ=ブレンドすること)という工程があります。これは、お茶製品の味・香り・色をいつでも均一にするために、3〜4種類の異なる産地の茶葉をブレンドすることです。
つまり、お茶農家はどんなお客様に飲まれているのか、お客様はどんな農家が作ったお茶なのか、わからないことが多いのです。
村上園のお茶は、市場や問屋を挟まない「産地直送」。静岡市清水区吉原産100%、村上園産100%です(※玄米茶に使用する玄米を除く)。他園とのブレンドもせず、お客様へ直送しておりますので、生産から製造・販売までのトレーサビリティを、自園のみで責任持って行なえています。
また、中間業者を挟まない分、小売価格が高くならずに、お客様にご提供できるメリットもあります。
複数の産地のお茶をブレンドしないので、その年の自然や天候がそのまま、味・香り・色に変化をもたらします。自然がつくった村上園の「今年の味」、ぜひお楽しみいただければと思います。
「まろやかでやさしい味」「安心して毎日飲める」「村上園さんのお茶だから」・・・そう喜んでいただき、信頼を寄せてくださるお客様に励まされて、約45年。村上園が無農薬栽培をがんばってこられたのも、買い続けてくださるお客様のおかげです。本当にありがとうございます。
「日常茶飯事」という言葉があるように、「お茶」と「ご飯」は毎日、口にする大事なものです。
「医食同源」という言葉があるように、日頃、飲食する物が病気を予防し、健康な身体をつくるといわれています。「生活習慣病」を寄せつけないためにも、習慣的に飲食する物には、ぜひ気をつけたいですね。
もともと中国から「薬」として持ち帰り、日本に広まり親しまれてきたお茶は、近年、多くのすぐれた機能性が実証されてきているようです。
緑茶には、カテキン(渋み成分)、カフェイン(苦み成分)、テアニン(旨み成分)、サポニン、ビタミンC、ミネラル等、多くの有用成分が含まれています。
この緑茶を習慣的に飲むことで、肥満など生活習慣病の予防効果をはじめ、ダイエット効果、花粉症・アトピーなどのアレルギー予防効果、食中毒予防や虫歯・口臭予防にもなる殺菌・抗菌効果、利尿作用、解毒・排毒作用、老化防止や美肌効果、リラックス効果・・・など、いろいろな効能があると言われ、近年、見直されています。
やはり、毎日のお茶習慣は、いいものですね。日本人は、古来からこのことを、知っていたのではないでしょうか?
安心・安全なお茶を飲みたい方をはじめ、気に入ったお茶にめぐり会ったことがない方も・・・、村上園のお茶を、きっと気に入っていただけると思います。
いつもお買い求めくださるお客様のためにも、これからも毎日、おいしいお茶づくりに励み、こだわりつづけます。
2019年1月更新
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